学長ごあいさつ

公立大学法人 奈良県立医科大学 学長  嶋 緑倫

日頃より本学の「女性研究者・医師支援センター」の活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。本学は、平成23年に「女性研究者支援センター」を設置して以来、女性研究者がライフイベントと研究を両立できるよう、一貫した支援体制を築いてまいりました。令和元年には、医師のキャリア支援をより明確化するため、現在の「女性研究者・医師支援センター」へと名称を変更いたしました。本年(令和8年)4月1日からは組織体制をさらに強化するために、専任のセンター長を配置する新体制へと移行しました。 センターの基幹事業である「研究支援員配置事業」では、令和2年度から令和7年度までに22名の女性研究者を支援し、そのうち半数の11名が助教採用や講師・准教授への昇任を果たすなど、着実な成果を挙げています。また、若手女性医師への支援対象拡大や、科研費申請支援事業により、令和7年度には医学科女性教員の競争的資金獲得率は令和2年度の39.4%から45.7%へと向上し、本学の研究力強化に大きく貢献しています。 臨床現場における女性の活躍もめざましく、常勤女性医師数は令和2年度の131名から令和7年度には155名へと増加しました。さらに、女性医局長数も令和2年度の3名から令和8年度には8名へと大幅に増加する見込みであり、要職への女性参画が進展していることは大変喜ばしいことです。 一方で、准教授以上の教官職がまだ少ないという課題も残されています。本学医学科女子学生の割合が31.7%(令和7年度)と全国平均41%と比較して低く、絶対数が少ない要因もありますが、女性教職員数の少ない教室におかれましては、ぜひ教室全体で男女参画推進の機運を高めていただくようにお願い申し上げます。こうした課題の解決に向け、本年度4月より、本学の教育研究に関する最上位の審議機関である教育研究審議会にセンター長が参画することになりました。 今後は、センターの活動や現場の声を大学の方針決定プロセスに直接反映させ、大学全体で課題を共有し、更なる発展へと繋げていく所存です。 教育面におきましては、低学年からの「良き医療人育成プログラム」を通じた男女共同参画教育を実施しています。センター長自らがキャリア教育を担当し、学生が早期から主体的に医師としてのキャリアや研究の意義を探求できるよう、アクティブな学びの機会を提供しています。 また、当センターは教育や研究の支援に留まらず、心理相談員と連携した相談事業(令和6年度 248件)や不妊治療・性暴力予防に関する啓発講演、ハラスメント相談等員を通じて、「誰もが働きやすく、魅力ある職場環境づくり」を推進しています。 これからの医療は、デジタル化や新たなテクノロジーの導入など、大きな変革の時代を迎えています。次世代の医療や研究のイノベーションを牽引するためには、多様な視点がかかせません。本センターはこれからも、女性研究者・医師のキャリア継続とステップアップを全力で支援し、多様性が真の強みとなるダイバーシティ環境の構築を目指してまいります。 皆様のさらなるご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


センター長ごあいさつ

公立大学法人 奈良県立医科大学 教育教授  須ア 康恵

平成26年度以降、女性研究者・医師支援センターの専任教員を務め、令和6年度に副センター長、令和8年度からはセンター長を拝命しております。本センターは、1)女性研究者・医師を対象とした研究支援、2)男女共同参画およびダイバーシティ推進のための啓発・広報活動、3)男女共同参画に基づくキャリア教育、4)ジェンダーに関する研究、5)相談業務の5つを活動の柱としています。

本邦では、医師国家試験合格者に占める女性の割合は昨今40%に近づいていますが、医師全体の女性割合は20%台にとどまっています。世界に目を向けますと、経済協力開発機構(OECD)加盟国では女性医師の割合は平均50%となっており、2024年現在、日本は23%で最下位の状況です。また、女性医師を取り巻く課題は人数の問題だけではありません。臨床および医学研究の領域では、指導的立場に就く医師・研究者の大部分は男性であり、女性のキャリア向上は道半ばであると言わざるを得ません。患者の約半数が女性、医学部入学者の約4割が女子学生であることを鑑みますと、実力ある女性研究者・医師、指導的役割を果たす女性教員の増加が今後益々重要となってきます。

本センターは平成23年度の設立以降、女性研究者・医師の増加を目標に掲げ、学生から医師・研究者までシームレスな支援活動を行ってきました。この10年間で、本学研究者の女性割合(H26年度24.5%→令和7年度29.8%)、医学科教員の女性割合(14.3%→19.2%)、常勤で働く女性医師数(84人→155人)、女性教員の競争的資金獲得割合(29.7%→49.5%)が増加する等、医師・研究者の男女共同参画は着実に進んでいます。今後、医学科教員の女性割合を早期に30%へ近づけられるように、関係各所と協力して上記の5つの活動を充実させて参ります。皆さまには引き続きご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。


ごあいさつタイトル